明治公園アパートメンツは昭和31年に建築されたマンションです。再建前のマンションは4階建て12戸の小規模なマンションでした。容積率は300%の区域ですが、接している道路が4mと狭く、そのために容積率が低減され(4m×0.4×100=160%<300%)、最高でも160%としか確保できず、かつ日影規制等のためにさらに建物規模が縮小されます。そのために、再建しても建設当初の建物規模程度しか出来ないために、デベロッパーや施工会社に話を持っていっても断られる状況が続いていました。再生なびが係わり約4年で、建替え決議が成立し今春着工しました。その経緯をお伝えします。(平成21年度 国土交通省安心居住推進事業の補助を得て、推進が促進された事業です。)
明治公園アパートの今までの経緯
平成17年~平成18年
管理組合として、デベロッパー・施工会社に折衝するも取り組む会社を見い出せなかった。
平成19年
1月に明治公園アパート理事会とNPO再生なびと初接触した。問題点を整理した後、2月に「再生なび」が理事会へ「建替え推進上の課題」を説明した。
・デベロッパーは事業性が薄く参加困難であり施工会社も事業規模の割にリスク(合意形成の困難さや請負代金回収の不明確さ)が多くいので敬遠する。現住戸と同じ12戸を建設し、各々が自己負担し建設する。(デベの不参加)・自己負担の目途は2700万円程度のイメージである。そのような建替え推進に大部分の所有者が納得するのであれば推進を支援する。しかし推進をしていく上では、出来るだけ所有者の負担の軽減やリスクの軽減を図るという前提で、建替えの検討を開始した。
○6月~8月 負担軽減のための可能性への模索(隣接地に社宅を有している企業とのとの共同事業の検討)
北側隣接敷地に所有者の某大企業の10数年前に建築された社宅(単身寮)がある。その敷地との共同化が可能であれば、デベロッパーや施工会社の取り組みが可能となるとの観点から共同事業の提案をしたが、担当役員までの面談後に単身寮の当面の継続方針を理由に共同化は不調となった。
○6月 A理事による南側所有者○○総務部との折衝(共同化検討) ⇒不可の回答
○7月 A理事による西側所有者との折衝 (共同化検討) ⇒不可の回答
○6月~7月 区分所有者との個別面談の実施
マンション再生なびが個々の所有者に課題の説明と意向ヒアリングを行った。所有者12名の内所在不明の1名を除き、11名との面談が実施された。不明の1名を除き建替えに賛成の意向
○9月 3日 建替え推進のルール案の説明
○10月 住宅金融支援機構(元住宅金融公庫)の融資説明
○12月 構造専門家に依頼しての耐震性能に関する意見報告書 提出 構造上問題が多い。耐震補強工事が約6~8千万円必要との結論となる。
○12月24日 建替え決議集会を開催すること、その時期は4月ごろに行うことの確認がなされた。(自己負担による自主建替え前提)
平成20年
○4月 建築費用の上昇傾向から再建費用の増加が予測され所有者自身の自主再建では事業リスクの限界が見えないため、デベロッパーの探しを実施し、1社が検討を開始した。事業提案の手前まで来たが、リーマンショックによる建築コストの更なる上昇およびマンション市況の急激な悪化で社内稟議が通らなかった。
○8月 建替え事業検討の一時中断
建築コストの上昇が止まらず、建築費の予測したがって建築費自己負担の予測が全く分からないために、建替えの検討推進を一時中断せざるを得なくなった。
平成21年
○1月
○1月 建替え検討の再開
○2月 A社からの南側位置指定道路(隣地N所有)を半分購入すること事業拡大の可能性があるとの提示があったため N社との協議 N社が道路の一部を売却することの検討開始。
○4月 国土交通省の補助事業申請検討
○7月 国土交通省の補助事業採択(500万円補助決定)
補助事業経緯
9月18日(道路測量実施)
9月18日(位置指定道路所有者N社との協議 )
9月24日(位置指定に関する新宿区開発指導課との協議)
9月25日(位置指定道路所有者Nの同意取得 )
<位置指定変更と一部道路部分購入の同意>
9月28日(住宅金融支援機構と事業資金借入れ協議)
10月2日(測量の結果、東側幹線道路からの距離が35メートル以上であるとの判断から位置指定変更に対し新宿区が不可見解を明示)
10月5日(西側敷地内通路4Mの取扱い協議・区建築指導課)
10月6日(所有者集会 可能な事業方式の検討)
10月10日(B社と余剰住戸買取保証付き請負事業方式についての協議)
10月14日(敷地内通路に関する区建築指導課の見解明示)
<西側・北側の敷地内通路4mは2mの通路確保で良いとの見解あり。基本設計上有利な状況構築>
10月22日(A社と余剰住戸買取保証付き請負事業方式についての協議)
11月 2日(所有者集会)
○基本設計ABC3案の提示
○可能な事業方式の検討(AB2社の事業方式の検討)
○建替え計画案に対する要望を提出し基本設計へ反映することとした。
11月 5日(C社と余剰住戸買取保証付き請負事業方式についての協議)
11月30日(所有者集会)
○B社による事業提案 余剰住戸買取保証付き請負事業方式<区分所有者が取得しない住戸を事前に買い取る。平均2800万円前後を負担し、再建住戸(各約55㎡)を取得する案が提案された。建替え実現を実感した。
○コーポラティブ方式は、事業融資の借り入れや余剰住戸処分リスク、建設費の高騰リスク、施工業者の倒産リスク等を区分所有者が担うためリスクが大きく、取りやめた。
12月26日(所有者集会)
A社およびC社の建替え事業提案がなされた。
○A社提案 請負事業方式<余剰住戸について は完成時まで、B社が販売仲介して売却を支援、完成時に在庫があれば買取る方式。平均負担額2700万円前後。ただし、分譲価格いかんで負担額に増減有り。<基本設計C案採用>
○C社の再提案 等価交換事業(請負事業方式からの変更提案) C社が事業主となるデベロッパー事業型。平均の負担額は約2800万円。A社事業は、区分所有者の事業負担リスクがなく有利であることのコメントを行う。
平成22年1月11日(所有者集会) A・Cの再提案 <価格の若干の引下げ>
1月25日(所有者集会) B社の再提案 取り組み基本設計案の変更と負担額の減額。
2月6日(所有者集会)取り組み事業者をC社に決定した。
5月末の建替え決議集会を開催し「11/12の賛成」で建替え決議が成立した。
Ⅱ C社の提案内容の詳細
① ○○○㈱
② 基本設計 A案 (半地下エントランス 半地下住戸2戸 地上5階建て 総16戸)
③ ○○○ ㈱が事業主となり、事業資金拠出して等価交換事業として建替えを実施する。事業責任は㈱○○○が負う。
*現在の12戸の方が、全員、土地をに売○○○却する。
*再建住宅を取得する方は、土地売却と同時にから、○○○完成時に再建住宅の住戸を買い取る契約を行う。
*売却転出される方は、売却代金を得て、建替え事業から離脱する。
*その後、解体着工する。
④ 建替え決議を実施するが、できれば、その後に等価交換契約等を行い、円滑化法を適用せず速やかに着工したい。(円滑化法・建替組合等の手続きが半年以上必要なため)
しかし、状況によっては、明治公園アパートメンツ建替組合を設立し、円滑化法を適用し、都の認可を得て法人化し事業推進も視野に。
⑤ 分譲マンション仕様
⑥ 選定された後は、建替え参加者の、プラン変更や仕様変更等の個別対応を十分に行う。
⑦○○○ が事業主となるため、余剰住戸は○○○が売主となって一般分譲する。したがって、売れても売れなくても建替え参加者の費用負担に変動はない。
⑧ 現在の資産の評価 19、200 千円(転出者の評価も同じ)
⑨ 再建の平均負担額等
等価交換事業のため、事業費内訳は明示ない。
総平均住戸価格 4,715千円 (土地・建物込みの平均分譲価格)
総平均負担額 2,795千円 (
2階Bタイプ 54.67㎡ 16.53坪 を取得する場合
2階Bタイプ住戸価格=46,300千円―19,200千円
=27,100千円
約27,100千円を負担すれば2階のBタイプ 16.53坪が取得できる。
⑩ 事業リスクの回避
余剰住戸が販売不振で売れなくても、再建住戸の取得者は、契約時の負担額を支払えば、竣工した住戸を取得することができる。ただし、○○○倒産の場合はリスク有り。
⑪ 再建住戸取得者の資金の拠出時期と資金の借入れの必要性
○○○が、事業責任を負うため、再建住戸取得者は、竣工時に一括して、
自己の負担額を支払う。再建建物竣工時まで、資金拠出無し。
売却転出者の売却代金もが○○○支払う。
●建替組合が住宅金融支援機構から融資を受ける必要もない。
ただし設計費(総額約20、000千円程度内)に関しては、建替え参加者が分担して負担必要あり。
建替え決議後の経緯
<詳細は続く>

