平成22年度 安心居住推進・補助事業の進捗報告 Ⅰ大規模団地

この欄は、国土交通省の安心居住推進事業として修繕か建替えかの比較検討等を進めているマンションおよび団地の推進経過の概要をお伝えするものです。Ⅰは約600戸の大規模団地の再生の方向性決定に向けての検討事業です。Ⅱは約40戸程度の中規模マンションの修繕か建替えかの検討事業です。平成22年8月19日の補助採択から事業が開始され2月上旬までの約半年間の検討の推移や課題を報告します。このブログからはⅠの大規模団地の検討を報告します。

当該団との概要

当該団地は、独立行政法人都市再生機構(以下「機構」)が分譲した20棟約600戸の首都圏の大規模団地である。隣接には大規模賃貸団地が存在し、この分譲・賃貸団地が一体で建築基準法の一団地認定がなされている。当団地は建築後約40年を経過し何らかの再生が必要な状況にある。当団地の区分所有者を対象に平成21年末に再生に関するアンケートを実施したところ、回収率が戸数ベースで9割超にも達した。このアンケートにより、多くの区分所有者が何らかの再生の必要性について問題意識を持っていることが明らかとなり、再生の方向性を定めることが管理組合にとって喫緊の課題となっている。しかしながら、当団地は20棟約600戸の大規模団地であり、アンケート回収率は高いとは言え、区分所有者の高齢化や借家化が進んでいることから、開発上の課題への理解や再生の方向性を決定するためには質の高い合意形成を行える体制づくり再生に関する情報を全区分所有者が共有することが最重要課題となる。平成21年度に20名体制で発足した「再生検討委員会」の充実を図るため、平成22年度から原則各棟2名以上からなる40名体制とし、本補助事業を活用することにより専門家の支援を得て修繕か建替えかの検討に取り組む。

 

進捗状況

8月22日(土)団地見学会と自由意見交換(ワークショップ)



再生委員会の40名が参加し、平成23年1月末までの再生検討の進め方・スケジュール・目的等が説明され再生検討のキックオフ会議となった。会議に先立ち、団地を周回し団地設備を確認する見学会を実施そ、その後委員の交流を主眼として「我が団地~良いところ・改善すべきところ」について自由に話し合うワークショップが実施された。くじ引きで1グループ6~7名の分かれ、互いにあまり面識もない委員達だったが、冒頭に各自3分程度の自己紹介からスタートし、和んで会話も順調にはずみ活発なワークショップとなった。

8月27日(金)

既に8月初から、本格的な建物劣化診断が実施(3棟をサンプリングし詳細な調査診断)されており、9月末に予定される「建物劣化診断報告および修繕改修費用の概算提示」に向けて、区分所有者に配布・説明される資料について修繕業者と再生委員会で検討した。

9月11日(土)

再生委員会における「建物劣化診断報告および修繕改修費用の概算提示」

建物劣化診断を実施した業者から、再生委員会40名に対しての劣化診断報告および修繕改修費用の概算の提示がなされた。9月末から10月初旬にかけて延べ7回実施予定の棟別の「建物劣化診断報告および修繕改修費用の概算提示」のリハーサルとして再生委員を対象に表題の説明会がなされた。説明は約2時間にわたり、詳細に説明された。しかし、委員のほとんどは、修繕改修の実情も知らない素人集団であり、説明内容も高度過ぎて、感想としては、劣化診断の報告や費用の概要についても「大まかな概略的なもの」の方が、理解しやすいとの意見が多かった。報告側も、パワーポイントの説明内容や、費用負担を明示する資料についても、表示内容を修正することとなった。

9月20日・23日・24日・25日・26日

棟別の「建物劣化診断報告および修繕改修費用の概算提示」説明会およびワークショップ「我が団地の良い点、改善すべき点、修繕説明を聞いて」

2棟~3棟(約100戸単位)ごとに説明会等を開催した。会場は団地内の集会室(許容人数約60名ほど)で開催された。40名の棟委員が各棟の区分所有者に声をかけ参加促進活動をした結果、全体の半数を超える300名以上が、説明会に参加した。

報告内容は、①耐震性能②現在の水準を維持するための修繕費用③30年以上修繕で維持するためのレベルアップ・改修費用④専有部分のリフォーム費用について修繕改修内容とその費用の概算の提示がなされた。

説明会は、土日祝日は午前と午後の2回開催され、平日24日は夜のみ開催さた。各回、参加者約50名前後となった。説明会後に、5~6名単位の小グループに班分けし、自己紹介からはじめて、「我が団地の良い点、改善すべき点、修繕説明を聞いて」について自由に会話が弾んだ。意見として話したことは、ポストイットに各自が書き、横に貼ってある模造紙に貼っていった。最初は、何が始まるかと若干緊張もあるが、おおむね棟単位で集まっていることもあり自己紹介が始まると、和やかな中で会話が弾んでいた。修繕説明会への意見としては、実情が良く分かった。修繕改修も費用が意外にかかるものだ。建替えのケースの説明を聞いてみないと比較できない等の意見があった。ポストイットの書かれた意見は約900個以上となった。

①現状の設備の修繕費用は、今後10年間で約210万円/戸 ②電気容量のアップやサッシの変更等のレベルアップ工事が約250万円/戸 ③エレベーターの設置工事(階段の踊り場にエレベーター着床タイプ 数段の階段は昇降あり)で約250万円/戸 ④別途に耐震補強工事費については、壁式構造でないラーメン構造の2棟の耐震補強工事費が1棟単位で約7000万円程度と積算された。

11月20日・21日・23日・27日30日

棟別の「建替え概略案および建替えの費用負担の概算提示」説明会およびワークショップ「我が団地の建替えによる再生について」

2棟~3棟(約100戸単位)ごとに説明会等を開催した。会場は団地内の集会室(許容人数約60名ほど)で開催された。40名の棟委員が各棟の区分所有者に声をかけ参加促進活動をした結果、全体の半数を超える約300名が、説明会に参加した。建替える場合には、現状の約50㎡の専有面積の約半分の25㎡は無償取得できるとの見解が報告された。また、現状の約50㎡を再取得するためには、約8~900万円が必要になるだろうとの報告となった。(仮住居費用は別途)

説明会後のワークショップ(自由意見交換会)

5~6名単位の小グループに班分けし、自己紹介からはじめて、「建替えによる再生について」自由に会話が弾んだ。建替えの費用負担が多いこと、修繕と比較してあまり変わらないこと、仮住居生活とその費用負担の重さ、2度の引っ越し、負担資金がないこと、最低限の修繕での維持が望ましいとの意見、いや、修繕ではいずれまた、建替えを進めることになること等不安や期待やへの意見が話され、ポストイットに書き込まれた。今回も意見の総数は全日程終了時には約900個となった。(各人3コ程度)今後もし建替えるとしたら、解決していくべき課題が浮き彫りにされた。

12月12日

修繕と建替えの復習説明会

近くの小学校の体育館で、参加約250名を対象に、9月および11月の修繕と建替えの説明会のおさらい説明会と質疑応答が行われた。併せて住宅金融支援機構から担当者が出席し再生に伴う融資制度(特に高齢者返済特例制度)の説明がなされた。

1月  再生に関するアンケートの実施

以上

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