平成22年度 安心居住推進・補助事業の進捗報告 Ⅱ小規模マンション

この欄は、国土交通省の安心居住推進事業として修繕か建替えかの比較検討等を進めているマンションおよび団地の推進経過の概要をお伝えするものです。Ⅰは約600戸の大規模団地の再生の方向性決定に向けての検討事業です。Ⅱは約40程度の中規模マンションの修繕か建替えかの検討事業です。平成22年8月19日の補助採択から事業が開始され2月上旬までの約半年間の検討の推移や課題を報告します。このブログからはⅡの小規模マンションの再生の方向性の検討を報告します。

当該マンションの概要

昭和31年に建築され建築後53年を経過した2棟40戸未満の小規模マンションである。しかし、勉強会は開かれるものの具体的な検討が十分に進まなかった実情がある。当然、建築後50年余を経過したこともあり修繕改修すべき項目は累積し緊急を要する状況にある。一方、建替えに対しては漠然たる期待がある。容積率は300%の区域であるが現在の建物は容積を100%程度しか使っていないため余剰容積を活用して建替え費用の負担軽減が期待される。しかし敷地と5mの区道との接している部分が短く接道条件が芳しくないため容積率の制限が予測され、また敷地内の高低差もある。ただ再建時にどれほどの建物が再建可能かは検証されておらず、したがって建替えに伴ってどの程度の負担が必要か判明していない。今回、本補助事業を活用し、道路問題を中心に行政との折衝を行い建築可能な建替え計画案を作成し建替える場合の費用負担を明確にする。一方、修繕改修に関しても専門家により修繕改修費用の概要を把握し、全員が修繕の実情を周知する。管理組合理事会および本補助事業推進のために発足した女性陣を中心とする再生検討組織を発足させ、区分所有者全員を対象として修繕と建替えの比較検討を実施し早期に再生の方向性を決定すべく補助事業による検討を開始した。

進捗状況

8月22日(日) 再生勉強会

今後半年間の修繕改修か建替えかの比較検討の進行スケジュールを確認した。また、再生検討推進をするうえでの留意点や昨年度に実施した検討推進事例を説明した。参加15名。

8月24日(水) 再生勉強会

8月22日(日)に参加できない方のために、8月22日と同じ内容の説明を報告した。参加5名

8月25日(木) 建物劣化調査の開始

当該マンションは戸数も少なく修繕積立金も少ないために、劣化調査に多くの費用が掛けられないため、今回の劣化調査は、建物設計図書関係の調査、修繕履歴の調査、目視による建物調査にとどめ、専門業者の過去の事例経験を加味しての「概略の修繕改修費用の概算」を提示するものとした。開始日は、数名の比較的当初からお住まいの所有者や役員経験者に、建物を案内してもらいながら修繕の履歴をヒアリングし建物全体を目視調査した。その後、設計図書関係を閲覧し必要な図書関係を借り受けた。

9月12日(日)

建物劣化調査報告および修繕改修費用の概算の提示

①に現状の仕様・設備維持修繕で今後10年間内に、戸当り約200万円の修繕費用を要すること。②に今後20年から30年間を修繕で生き永らえるとすると改善しておきたい改修・グレードアップ工事として玄関扉・サッシ更新等で約戸当り130万円、エレベーター工事(踊り場着床タイプ)として戸当り約250万円必要であることが述べられた。③に参考として各自の負担であるが、専有部分のリフォーム工事の目安として一般的なリフォームを実施すると約300~400万円程度必要であることが説明された。(なお、当該マンションは、公団タイプ形式の壁式構造で建築されているため、耐震性能は問題なかった。)参加者の感想としては、修繕改修も意外に費用が必要(専有部分含めると戸当り約1000万円)であるとの実感を持った。  参加は17名。

9月15日(水)

建物劣化調査報告および修繕改修費用の概算の提示(第2回)

9月12日(日)に参加できなかった方々のために、午後7時~9時まで前回と同じ内容の説明があった。  参加は3名。

10月9日(土)

建替え計画案の提示と建替えに伴う費用負担の概要の説明

行政折衝した上での、建築計画案が提示された。まず道路問題については、集合住宅を再建する上での支障とはならず再建が可能である。しかし、容積率300%の区域であるが、接している道路の幅員が5.5mと狭いために最高容積が180%以下に制限される。しかしそれ以上に、日影規制がかかる地域であり、北側の敷地に影を落とさないように建物を建築しなくてはならないという規制がある。そのために、今回の再建計画案は、敷地の南側に寄せなければならず、ほぼ今回計画案の規模(容積率140%程度まで)しか再建できないとの結論であった。再建が不可能かとの懸念もあったため、再建できることと計画案の高級感のある外観パースが表示されたため、参加者の中には夢が広がったとの感想も持った人も多い。

無償取得の専有面積等の建替えに伴う費用負担

NPOマンション再生なびの市場調査や建築費の予測等から、 建替える場合の費用負担について説明がなされた。当該マンションの区域は分譲価格が高いエリアで予想分譲価格が275万円/坪程度と予測されること、容積率が現状の100%程度から約140%程度になること、建築費は敷地内に高低差があり比較的高めになる可能性があることなどから「約25㎡=7.56坪」程度の無償取得となるのではと報告された。買い増しの価格(無償取得面積以上に取得する場合に要する費用)現状の専有面積を取得する場合は約1500万円 程度の負担となり約60㎡を取得する場合は約2550万円 程度の負担となるのではないかとの報告となった。  参加 18名。

10月14日

10月9日の説明会に参加できなかった方々のために、同じ内容についての説明会があった。                          参加 4名。

10月17日  ワークショップ(自由意見交換会) 建替えるとしたら~不安点・疑問点・期待する点・要望する点~             参加13名     出された主な意見:地震に強い構造にしてほしいい・今回作成の基本設計案は、外観が美しく気にいった・アルコーブは作って欲しい・内装はオーダーが出来るのか・買い増し金額の提示があったが、その負担は内装も付いているのか・高級仕様でなくて良いからもう少し無償取得面積を増やしてほしい・仮住居期間はどれほどか・建替えに向かえそうで夢が膨らむが、これからどれほどの壁を乗り越えれば良いのか?隣地を巻き込んでの建替えでもう少し条件が良くならないか・デベロッパーを入れないで、自分たちで再建して経費を削減出来ないか?

11月7日 ワークショップ(自由意見交換会)

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