平成22年度補助事業(管理組合訪問活動)レポート

NPOマンション再生なびは、国土交通省の補助事業として、昨年度に引き続きマンション再生の初期段階にあるマンション・団地を訪問して、再生推進の留意点を講演し、そのマンション等の抱える課題等について質疑応答しアドバイスする活動を実施します。(訪問講演無料・遠隔地の交通費については要相談)このレポートは平成22年度分について、匿名性を確保の上、講演内容・質疑応答等を掲載予定です。

●相談日時   :2010年12月18日(日) AM10時~12時○ 場所   :○市市民センター

○ 参加者 :○○管理組合  11名

NPOマンション再生なび 3名 および構造設計一級建築士事務所 ○建築事務所

マンション・団地の概要

①     建物は昭和41年築(築43年)   総戸数 32戸 2棟  (各階4戸×4階 ×2棟)

②     2DKタイプ(約45㎡)と3LDKタイプ(約66㎡)の2タイプで構成。

③    当該マンションは、社団法人○住宅協会の分譲であり、本来は社宅用に分譲されたマンションであった。数社が社宅として購入したが、数戸は、当初から個人で取得された方がおり、現在の理事の主要メンバーを構成している模様である。

④     ここ10年ほどの間に、企業が社宅を手放して第三者に売却している。最近も6戸ほど、まとまった売却があり、不動産業者が内装を新築同様にリノベーションをした上で売却を進めている。新規購入者は、大規模修繕・耐震補強の必要性や、建替えの検討をしていることは知らずに購入している。住民間の交流についてはほとんどなく管理組合総会等の出席率も非常に低い状況である。

⑤     2015年にかなり大規模な修繕工事をする必要があり、修繕か建替えかの選択が必須となっている。

経緯

当初、再生なび主催の再生セミナーに参加した。その後、昨年度補助事業での相談体制の整備にかかわる事業として、アドバイス講演をしたが、役員6名以外の一般参加者はない実情があった。リノベーション購入者への再生の必要性の周知の一環として、当該マンションの耐震性能についての概要をしることを目的として、今回の勉強会を設定した。構造設計事務所には、設計図書(意匠図のみ)を確認してもらい、現場調査実施後に講演を受けた。

勉強会の内容

広報チラシを作成し、個別訪問を実施し参加を促した結果、11人が参加し(昨年度は役員のみの6名)、活発な意見交換が行われた。

講演の要旨

■1.建物概要

竣工時期:1966年

構造種別:鉄筋コンクリート構造

構造形式:耐力壁付きラーメン構造

平面形状:典型的な階段式集合住宅配置

立面形状:立面的整形

■2.建設時代背景

竣工したのは1981年「新耐震」施行の前、かつ1971年柱帯筋の規定強化前である。いわゆる「旧耐震」のこのような建物は、大地震時倒壊防止のように設計されておらず、過去の地震被害から、大地震時柱が切断され全体倒壊に繋がる危険性があると思われる。「旧耐震」建物に対して、「耐震改修促進法」により耐震診断および耐震改修の努力義務がつけられている。耐震診断はまず、図面の有無、建物が図面通り作られたかどうか、経年劣化の進み具合などについての状況を調べる。耐震性に関連する重要な構造設計図が残されなければ、さらに鉄筋の配置状況を調べる必要がある。

■3.耐震性の問題点

既存図面のみから推測すると、当該建物が耐震性上の問題点は主に以下のようにある。

①     保存された図面は意匠図のみで、構造図が残されず、調査に通じて構造体を把握する必要がある。

②     建物全体は整形で、平面的、立面的にもバランスがよく、耐震性に不利な形状ではない。

③     しかし経験的に、竣工年や柱・壁などのサイズと配置などからみると、耐震診断結果が安全になる可能性が小さい。(簡略計算では基準値の半分しかない箇所がある)

④     阪神・淡路大震災の被害調査から見ると、このような建物は桁行き方向特に弱く、柱の切断によって層全体つぶれる可能性があり、人命安全に対しては大きな脅威だと考えられる。

⑤     敷地の余裕や建物形状などから見ると、アウトフレームを設けることが可能で、比較的に補強しやすいと考えている。

いずれにしよう、早急に耐震診断によって現状を正確に把握し、耐震性上に問題があれば、その弱点所在にあわせて補強工事を実施する必要があると考えられる。

主な質疑応答内容

○  建築した時点では当時の耐震基準を満たしていても、その後改正された現在の耐震基準は満たさない。1966年当時は中小の地震を想定した基準だったが、現在は100年に1度の地震を想定した基準である。当マンションは、現在の基準を1とすると、その3分の1程度の強度しかないと思われる箇所がある。

○ 柱の鉄筋の配置が、当時の基準と現在の基準では大きく違う。当時の基準では、地震の揺れにより柱のコンクリートにヒビが入り、強度が弱くなって上階の重さを支えきれなくなって層がつぶれる「層崩壊」の可能性が高くなる。阪神淡路大震災でも建物が横倒しになったのは1棟だけで、あとはすべて層崩壊だった。上層階よりも、1階や2階部分の方が層崩壊の起きる可能性が高い。

○鉄筋の配置の他に、コンクリートの劣化の進み具合により、強度がさらに弱くなっている可能性があるが、これは実際にコンクリートのサンプルを採取して測定してみないと分からない

○  当マンションは敷地に余裕があるので、外側にフレームを付ける方法で補強できる。費用の目安は、1住戸あたり4~500万円程度(総額1.5億円程度)である。

2010年12月18日(日)相談マンションの第2回 出前相談会

○ 日時   :2011年1月30日(日)  PM2時半~4時半

○ 参加者 :●管理組合  14名

NPOマンション再生なび

マンション・団地の概要

前回は11人が参加し(昨年度は役員のみの6名)、活発な意見交換が行われた。

今回は、住民交流の第一歩として、再生についてのワークショップ(自由意見交換)を実施し、さらに参加者が増え14名参加となった。

懇談会内容:

管理組合A理事が前回の耐震補強や管理組合が博している修繕の内容や費用の説明をした。(約15分)

ワークショップ <我がマンション 良い所・改善すべきところ・再生について思うこと>

班分け:

1班(女性4名、男性3名  計7名)

2班(男性7名  計7名)

まずグループ内で自己紹介をした。(1班)

(ア)    5年前に終の棲家と思い購入し引っ越してきました。修繕や建替えの話はしらなかった。

(イ)     30年前に購入後居住、10年前に埼玉へ引越し現在賃貸に出しています。

(ウ)     昨年5月に購入して6月には総会で修繕の話が出たのでびっくりしました。

(エ)    等、それぞれ購入時期や家族構成や経済状況がちがう自己紹介となった。

その後グループ内で意見を出し合った。

ワークショップでの意見

1班

《再生について》

・年金生活なのでどちらを選ぶにしても費用の額が問題!!

・費用にもよるが建替えに賛成だ

・改装するとお金がない

・修繕・改修は無理かな?お金を全部使い果たしたので?

・補強するとお金がかかる部分が心配

・補強をしても建物は古くなるので、2015年が無理なら2020年ごろに結論を出しては?

・建替えのシミュレーションをしてほしい

・早くしないと間に合わない。年がエネルギーが。

《コミュニケーションについて》

・芋煮会、焼肉会などのイベントがあった方が良い

《環境について》

・この環境が好き

・環境が良いので心に静かな住宅だ

・住環境は非常に良い。幼稚園、学校が近い。井の頭公園が近い

・教育環境良好。学校が近い。子どもが敷地内で遊ぶことに寛容でありがたい

・静かなところが良いし、バス停も近い

・静かで住み易い

・住環境が良い(買物、外出)

・井の頭公園が好き

《建物について》

・終の住みかだと思って来たが東南信用して来たが、日当たりが冬場悪いので残念だ

・日当たりが悪い!!12月1月はおひさまがない

・設備が心配

・改装していないから古くなっている

・先日排水管がこわれてしまい見えない所の管が心配

・建物の安全性と老後不安のバランスが難しい

・1階部屋であるので先行き考えて一番良い。

・建物の老朽化がひどい

・給水システムを改善して直圧式にしたい

・エレベーターがないので年を重ねると心配

2班

《再生について》

・建替えは良いけど費用が不安  2

・建替えも修繕も思ったより費用がかかる

・ローンを抱えている身にはさらなる負担はきつい

・いずれにせよ常に「お金」が不安

・修繕で行く場合も建替えで行く場合もランニングコストの比較

・建替えへの持ち出しは最小限に

・耐震や修繕にお金がかかり過ぎるなら、時期を見て建替えた方が良い気がする

・いつかは必ず建替えが必要であるが、そのタイミングはいつが適切か?

・建替えには賛成だが、防水工事で持つ。雨をしのぐことを考えるとそれで良いか?

・建物・設備に詳しい人が結構いるので、必ずうまくいくと思う

・まだ白紙でこれから考えたい

・明るく、楽しく生活を送るには?

・今後どうするか白紙。皆様の意見や状況をよく考えて判断をしたい

《コミュニケーションについて》

・もっと皆様とのコミュニケーションを取りたい

・賃貸の入居者とどうやってコミュニケーションをとればよい?

・住み心地は悪くないのだが、周りの人との関係は今以上に持ちたい?

・入居者とのコミュニケーションがとれる機会がより有ると良い

・住民同士のつながりを強めたい

《環境について》

・周辺の環境は素晴らしい

・井の頭公園も近く環境は良い場所にある

・屋上から富士山が見える

・立置が良い。出来るならずっと住みたい

・見た目のボロさは好き

・土地柄が良いので第三からは離れたくない

《建物について》

・シャワーが弱い

・設備に関してだが水圧が低いので現状ではがまん出来るか?1Fですので!!

・駐車場ください

・駐車場の件だが、増設に賛成だが皆のことを考えると同意したい

・すべり台などの遊具は助かった。残したいが責任はどうとる?

・耐震は思ったより弱かった

追記:ひとつ印象的だったのは、この地を離れたくない、M市が良い、いったん外に出たが どうしても帰ってきたくて戸建てを売って戻ってきたなど、この地に愛着を持った意見が多かった。

○ 相談日時   :2010年10月30日(土) AM10時~12時

○ 場所     ●市公民館 ○ 参加者 :管理組合  15名

経緯

1.マンションの概要

①    昭和51年建築  総戸数約30戸 8階建て

②    現状容積率 199.7% 現状専有面積 約60㎡~66㎡

2.背景

昨年:現況建物の容積率は200%であるが、建築後用途地域が商業に変更され、容積率が400%になっている。建築後30数年が経過し、大規模修繕の時期が来ており、建替えも含めて再生への勉強会の開始の検討をすべきではないかと理事会が判断している。昨年(09年)再生なびに相談し、アドバイスを受け構造専門家の耐震診断を実施した。結果は、低層階においては耐震性能がIS値0.4程度であり耐震補強の必要性があることと耐震補強工事に約1億円必要であると判断された。一方、某ゼネコンから「建替え提案」を受けた。その提案では、50㎡程度が無償取得できるとの判断だった。今後どのように建替えを進めるべきかとの相談。

座談会要旨

質問:理事会としては、所有者のアンケートも踏まえ、早急に建替推進決議を提案し、デべ選定を実施し建替えの実現に向かいたいとの意向であり、今後どのように建替えを進めるべきか?

アドバイス

国土交通省のマニュアルは再生を検討する上で、一般的になっている。良く事情を理解している理事会委員会では、建替えが再生の方向として選択すべきだろうと判断していても、区分所有者全体がどうかは、現時点では不明である。もう一度、区分所有者全体を対象に、修繕の実情や修繕費用や耐震費用の周知徹底を実施する。次に建替える場合の計画案や建替え費用の目安を全区分所有者対象に周知徹底する。両者を比較検討し、皆さんで論議し、意見を集めて再生の方向性を決めるべきである。そうでないと、理事会・委員会は「建替えありき」で進んでいると糾弾される。マニュアルに基づく「手順」をきちっと踏むべきである。

質問:総会や広報で修繕情報や建替え情報も流している。皆さん分かっているはずで、さらに数カ月の検討というのは、無駄ではないか?修繕か建替えかアンケートを取ればよいではないか?

アドバイス:広報誌で、修繕や建替えの情報を全員に配布することは良いことだ。ただ、理事会等が流した情報は皆さん、意外と読まないものだ。読んでも、高齢者には一読しただけでは、何が書いてあるか理解できないものだ。理事会等は、配布することで周知徹底しているつもりだが、「話を聞いたことがない。」という人が多くいると考えて進めるべきだ。区分所有者にとって、資産価値につながる一番重要なことなので、念には念を入れるべきだ。再生に関する情報があるのなら、その「おさらい・復習」で良いから、区分所有者全員を対象とした再生勉強会を数カ月数回に渡って実施し、未参加者には呼びかける活動を実施したうえで、修繕か建替えかのアンケートを取ったらどうだろうか。

質問:今後具体的に、どのように進めるべきか?

アドバイス:半年間の修繕か建替えかの比較検討のスケジュール案を提示

区分所有者全員を対象にオープンにした勉強会

1.耐震診断の結果について   おさらい

2.長期修繕計画の内容について おさらい

3.修繕改修についての意見交換(ワークショップ)

4.建替え計画案と建替えの費用負担のおさらい

5.建替えについての自由意見交換(ワークショップ)

6.修繕か建替えかのワークショップ

7.アンケートの実施

8.アンケートに基づく再生方向性の理事会の判断

9.再生推進決議の提案(修繕改修推進決議 もしくは 建替え推進決議   以上

2010年10月30日 訪問マンションの第2回目の相談・アドバイス

○ 日時   :2010年11月14日(日)  AM10時~12時 ○ 場所 ●市 公民館

○ 参加者 管理組合 15名

前回、修繕か建替えかの建替えありきではなく、修繕か建替えかの比較検討を手順を追って進めるべきことをアドバイスした。それにもとづき、今後、正式に修繕か建替えかの検討を開始するに当って、区分所有者全体を対象として、そのキックオフ的な集いを持ち、住民間の交流を強める目的で再生なび主催でワークショップ(自由意見交換会)開催することを要請された。そこで、昨年実施した耐震診断のおさらいと管理会社からの既存の修繕計画について説明があり、その後にワークショップを開催した。

5.勉強会内容

1.耐震診断の結果について

昨年度実施の耐震診断についての「おさらい」の報告があった。低層階の東西方向の補強工事の必要性と概算補強金額が述べられた。

2.ワークショップテーマ【我がマンションの良いところ、改善すべきところ

修繕改修の話を聞いて思うところ、 修繕改修で要望するところ 】

ワークショップ参加者 16名を2班に分けた。まず、班内で各自が自己紹介を2~3分話し、その後に上記テーマについて話し合った。以下がその意見である。

修繕改修への要望

・オートロックドアにして欲しい。

・防犯対策を講じて欲しいい

・防犯面の強化をして欲しい。両親がカギをかけ忘れる。

・玄関ホールをオートロックに。2

不具合

・給排水管が上層階で水漏れ事故が発生している。

・廊下面に滑り止めを張っているが、以前にひび割れしているところがある。実際は危険ではないか。

・長期修繕計画の2000~3000万円の修繕費用では、「臭いものにふた」としか思えない。

・隣のマンションと近いので、日照が良くないフロアーがある。また近いので覗かれる心配がある。

・古くなると給排管等を気にしながら過ごす必要があるので大変です。

・漏水があったので、今後も心配です。どの住戸もそうなる可能性がある。

・NTTのインターネット回線にしようとしたら、回線が増やせないとのことです。また 回線用のボックスを管理人室に入れているため増やせない。

・部屋が狭い。

・風呂が小さく、風呂がまも規格品が入らないらしい。

・家の中は、全面的にリフォームしてあるので、見えないところ(共用部分)が心配です。たとえば、水道管やガス管など。

耐震補強・改修

・耐震補強の補強の鉄骨のフレームのイメージがつかみづらい。美観は良いとのことだが暗いのではないか。

・マンションは、本当に東西方向の揺れに東海するのか?折れるのか?

・耐震補強の場合に、4階までの鉄骨フレーム補強と店舗補強にするか、6階までの鉄骨フレーム補強にするのかを選択したり調整したりできるのか。

・耐震補強したらマンションの資産価値がどうなるのか

修繕か建替えか

・現状維持の修繕なら、持ち出しなしで(別途の費用の供出なし)できるのであれば、当分それで良いのではないか。

・定年となった。建替えるなら、お金がある早い内に建替えて欲しい。

・建築後30年で建替えるのは早いと思う。

・修繕を選択すると、2015年で修繕積立金が激減する。建替えの場合はマンション全体の戸数が増えるので積立金も増える。建替えの方が良いと思う。

・体が元気な内に建替えて欲しい。

・あと15年、修繕で持って欲しい。

・同じ時期に建てたマンションは、同じ基準で出来ているはずだが、建替えの話は聞かない。

・この10年くらいなら、修繕でも良いが、次世代に引き継ぐことを考えたら、建替えでないと相続の時に資産価値がない。

・建替えるとしても、時期が問題。

・建替えの費用が思ったより高かった。

・いずれ10年か15年で建替えることになるのであればお金のある今やって欲しい。

・改修では、現在の日当たりの悪さは直らない。

・  修繕改修しても数年後には、建替えることになるはず。改修費がもったいない。それなら、その費用を仮住まい費用に充てたい。

・話を聞いて、修繕であると配管工事等の費用や生活している中での工事とかで面倒だ。

・とりあえず、予算内での優先順位を決めて修繕をすべきだと思う。

・駅近で便利である。資産価値を上げたい。

・修繕に資金を使用したとしても、追加、追加で建物自体がいつまで持つのか?

・修繕費がとても高いと思いました。配管や・水漏れなど修繕は大変です。

・修繕するにも建替えするにもお金が心配。

・60歳を過ぎているので、早くやってもらった方が良いのか?もう少し先に建替えた方が良いのか悩んでいます。

・建替え業者がもっと多くなる時期を待つ。今はまだ少ないので競争がなく高いと思う。

・修繕に1億円使うなら、建替えに1億円使った方が良い。

・修繕は、各戸の資産価値が下がり値下がりするので、新築に賛成です。

・3年後に8800万円プラス修繕のための補償費を加えると、1億円以上の資金が必要と思われる。その資金を、新築の際の引っ越し費用やアパート代に充当した方が良い。

・建替え時期は、社会の経済状況を考慮し検討すべきでかと思う。

・もし建替えとなった場合には、北側のマンション建築後では、建築に際して新住民との交渉が難しいのではないかと心配。

・裏にマンションが建築されそうである。そちらが建築されてから建替えるのでは、日照面でクレームになることも懸念される。あちらが建築される前に建替え工事を開始した方が良い。

・建替え?時期が一番問題だ。何年後になるのか?

・年齢を考えると、20年住めればと思うこともある。

・再生を永いスパンで検討するとしたら、保険的な意味で耐震補強工事を早期完了する。

・修繕改修の場合に、店舗の休業補償などはどうなるのか。

・とりあえず耐震補強で、ゆっくり考える。

・店の営業に影響がないので、修繕が良い。

・年齢的にも、一次転居を必要とする改修は不賛成。

・駐車場等の空いているスペースを有効活用して、まず修繕積立金を増やしたらどうか。

・同じ年度くらいの、もしくはそれ以前のマンションはどのような活動をしているのでしょうか。

・  最近、新しいマンションのモデルルームを見に行きましたらバリアフリーになっており、部屋の間仕切りも変えられたりして、使い勝手が良さそうでした。

○相談日時   :2010年11月24日(水 )PM7時~9時 ○ 場所  :当該マンション集会室  ○ 参加者 :再生検討組織 委員 6名

マンション・団地の概要

1 1971年建築 総戸数約170戸  地下1階 地上10階

2 地下~3Fをスーパー店舗が区分所有

3 耐震診断(1次)の結果は強度不足の判定。(実施2008年)補強工事未

*現在、給排水管設備の不具合発生している

4、住民間においてはマンションを建替えるか、修繕を実施するか等について意見交換はなし。

経緯:管理組合の諮問機関として建物等調査研究委員会が1年3ヶ月前に発足した。マンションは築40年になり、今後の維持管理と建替えとを暗中模索している。(ただし住民全体での検討にはなっていない)まだまだ、何をどうして良いかも分からない状態。マンションの低層階は店舗が所有している。また、マンション周辺では、行政が再開発として「街づくり」を推進しており、どうそれに乗れるかという事も理事会・委員会においては課題。今後どう再生を進めるべきか相談したい。

座談会要旨

耐震性能や店舗所有者との関係を確認した。

3階と4階の間の層と排水管に課題があり修繕が困難な状況アドバイした。

再建建物の規模:理事会として以前に設計士にヒアリングしたが、現状の容積率を確保できずに「既存不適格」になるだろうとのコメントをもらった。設計図は画いていない。再生なびの、大雑把な机上検討では容積消化率は、95%程度になり、計画上好ましくはが、少し建物を太らせれば住宅だけでも容積消化が可能かもしれない。(詳細省略)
設計事務所等に依頼し、一度正確に検証した方が良い。
それでも、現状の建物規模程度しか可能でないだろうが。
現状程度の容積が可能なら、一定の負担は伴うが、立地が好条件なので、取り組むデベロッパーはないではない。自己負担が多いことを覚悟すれば建替えは可能と考える。専門家に依頼して、自己の敷地で現行法規内でどれほどの規模が建設可能かをきちっと共通認識として持っておく必要がある。

今後の進め方

区分所有者全体が、修繕の実情(耐震性能 修繕費用や、給排水管実情)建替える場合の実情(既存不適格であるかどうか?どれほど建築可能か)知ってもらうのでしょうか?自己敷地での再建の設計案を作り、建替えの実情を把握する。なかなか、難しい状況という現実が理解される。

中長期的には、マンション周辺は、●市の街づくり・開発の必要性を考えている状況にあるので、周辺地域を巻き込んだ「開発・街づくり」ができないかを探る。マンション住民一同の要望として、周辺区域を含めた街づくりの推進によって●マンションの再生・既存不適格問題の解消」を切望するという「要望書」「嘆願書」を市に提出するような動きをするのかなと感じています。このような要望書は、それぞれのタイミングで何度も提出することになるが、第1回目の要望書という位置づけかも知れません。

行政もアドバイス・サポートするにも「マンションの総意」がどこにあるか定かでない状況では、コメントもできないと思います。管理組合法人として、また一定数の署名を得ての総意として動ければ、少しずつ山は動くかも知れません。

当面の○○住宅としての動き

区分所有者の大部分が、修繕や建替えの情報、市の街づくり構想等を理解して共通認識に立つことが必要だ。そうは言っても、簡単に170戸が集まるものではない。管理組合・再生検討組織が、きちっとした目標を立て、勉強会の実行計画を作り、住民への呼び掛け活動を覚悟して実施し、それを継続することで徐々に皆の知るところとなる。ぜひ、地道な活動を展開していただきたい。     以上

2010年11月24日(水 )訪問マンションの第2回目の相談アドバイス

2011年2月4日(金)16:30~17:15   行政訪問の実施

前回訪問時の助言を踏まえて、●マンションの建物等調査研究委員会委員長と委員 が●市・都市整備部を訪問したが、再生なびも同行した。●マンションは当該住宅を含めた区域全体に係る●市の街づくり方針を確認した。《場 所》●市役所都市計画担当       《資 料》 ●市駅前周辺地区の街づくり基本方針を受領する。 都市マスタープラン(都市マス)では、40ha の地区計画をかけ駅周辺地区の整備を行っている。現在、地区計画にうち一部に地区整備計画の網をかけているが、●マンションは地区計画の区域に入っているが、まだ地区整備計画の網は掛かっていない。マスタープランの内で重要な「軸」があるが、まさに●マンションはその軸に接している。との説明があった。

その後。●マンションに戻り委員会が開催された。

《報告》委員長から市との協議内容について委員への報告があった。

《質疑応答:座談会内容》

Q.今後の再生検討の進め方は?

A.建物劣化診断(簡易方法含む)を行い修繕費用がどの程度かかるのか把握する。耐震診断が実施されているのであれば、およその耐震補強費を把握する。現状の法規内での単独建替え案を作りどの程度の再建建物規模が可能かを把握する。これらの再生情報を区分所有者全体が共有化することだ。技術的なところは難しくないが、再生に無関心な方の存在や所有者の高齢化の中で、多くの所有者にどうして知っていただくかが課題だ。

Q.技術的なことを含めて再生にかかる費用はどれほどか?

A.再生なびから、技術的な点、合意形成に要する費用などが述べられた。

その後の座談会の中で、5月総会で①再生検討の推進②検討推進に要する費用、の二つを議案として提出し承認を得る方向で進むことが確認された。      以上

相談日時: 平成22年10月29日(金) 19:00~20:30 場所: ●区区民会館

参加者:(管理組合)理事長他 6名  (再生なび)4名

1 物件概要  所在地 省略 敷地面積:582.87㎡  延床面積:3,249.74㎡  構  造:鉄骨鉄筋コンクリート造地上8階建   築年月:昭和44年 総戸数:約50戸 住宅39戸、事務所8戸

2経緯

築42年のマンション。都心部の幹線道路沿いのマンション。住宅用と部分も大半が事務所使用になっている。もしくは投資目的の不在所有者(遠方も多い)が多い。長期修繕計画で修繕を実施してきたが、このままで良いか考える時期に来ている。設計図書に関し、構造図、計算書がなく。耐震診断も困難ではないか?耐震性の確認をせずに建替えの検討に入って良いか?また、建替えるとしてボリューム案を作ってみたが、専有面積は現状程度しか再建できない。投資目的の所有者は、マンションの所在地が都心部の弁の良いところであり、空いても高家賃ですぐ借り手がいる状況の中で、建替えをあえてする必要性を感じないと推測している。これからの再生検討の方向性をアドバイスして欲しいとの相談であった。

3質疑応答等

・30年の長期修繕計画を策定している。携帯電話の基地局による収入があるため、管理費・修繕積立金は低く抑えられている。・耐震診断の予算を確保したが、実施できずにいる。・構造図が現存しない(分譲会社や施工会社、および役所の図面が残っていない)。・鉄骨(ラチス)が入っているため、レーダーによる鉄筋調査等ができない。・柱まき、鉄筋のチェック、ハツル、本数は分かるが、径は分からない・片持ち形式の構造部分があり、敷地に余裕も無いため、耐震補強計画が困難だと考えている。・建替え計画も有効採光等の条件が厳しいため、一部事務所への用途変更が必要だと考えている。・外部居住者(7~8割)、投資目的の所有者が多く、組合活動や再生への関心が低い。・規模の小さな住戸から大きなメゾネット住戸まで存在し、合意形成が難しそうである。・駐車場も区分所有されていて、所有面積が一番大きい。ただし、議決権は一人一票となっている。<理事長が設計関係の方で、情報の詳細が集約されていた>

1.合意形成は、どのようにやるのか?

・まずは、耐震診断を行うことが考えられる。診断の結果から、再生に向けての関心を喚起することや、次に必要な調査検討への予算措置等を図ることが可能になる。

・また、情報の共有化が必要である。建物についての現状や懸念事項、組合の活動や意思決定について、広報活動を行う必要がある。例えば、鉄筋調査等もここまでやって、こういう理由で耐震診断が実施できない、というところまで伝える必要がある。そこまで行えば理事会の責任が問われることはない。その一方で、そういった活動を行わないと責任を問われる可能性がある。

2.国交省のマニュアルとおりに検討すべきか?

・現在策定している長期修繕計画と同じレベルの検討で建替えに至ったものも多く、マニュアルとおりに全ての検討プロセスを詳細に行っていく必要はない。

3.投資目的の外部居住者の合意は得られるのか?

・このまま老朽化していくと売却が困難になる時期が必ず来る。建替えによって新築後に売却した方が、経済合理性があることも十分考えられる立地なので、逆に合意に至る可能性もある。 一般の居住用マンションでは、仮住居生活およびその費用が高齢の居住所有者が建替えのネックになることが多く、外部居住者は資産価値の向上のメリット面から建替え賛成になることが多い。何を理由に賛同するか、反対するかは、分からないので、情報を発信して反応を見ていく必要がある。

4.過去にデベロッパーに断られたことがあるが、建替えは可能なのか?

・建替え後の建物が今の同じ規模でも、還元率50%程度の建替えは十分可能である。立地が良いので取り組むデベロッパーは存在すると思う。

・現状では利用できる補助金は無いが、前面道路が緊急輸送路に指定されているので、今後、補助金を利用できる可能性がある。未確定の補助金を当てにはできないが、補助が受けられるような準備はしておいた方が良い。

・デベロッパーは短期的であるが、施工会社は長期的に、事業に取り組むことができるので、土地の高度利用をしていない隣地、あるいは老朽化建物が存在する街区単位で共同化を進めるという方針で、施工会社に協力してもらうというアプローチも十分あり得る。

5.所有者調査をしたことがないが、した方が良いのか?

・謄本を調べ、誰が権利者か、どのような登記がされているのか、といったことを基礎的調査として必ず行う必要がある。ただし、登記情報は誰でも調べられる情報ではあるが、理事会等が調査を実施するとプライバシーへの懸念から権利者からの批判を受ける可能性が高い。したがって、第三者的な協力者に調査を依頼して、理事会は匿名情報で概要を把握するといった配慮が必要になる。

お互いに、状況を整理し、必要があれば再度懇談会を持とうとのことで終了した。 以上

○ 相談日時 :2010年10月25日(月)  PM2時~PM4時  ○ 場所    再生なび事務所    ○ 参加者 :管理組合理事   2名

経緯

1.マンションの概要

①    昭和 50年ごろ建築  総戸数 約60戸  4階建て

2.背景

●●県の団地型の集合住宅、公的機関の分譲のようである。電話での問い合わせの後に理事2名が弊法人事務所を訪れ、訪問の理事の1名は設計士であり、すでに設計図面が出来上がっており、「建替え決議」に向かってどのように進めたら良いかとの相談だった。設計に関し、道路の扱い等に課題があるようだが、既に行政との折衝を実施しており、建築指導課の扱いに対する指導も得ているようだ。現状は、団地型で容積をあまり消化していないために、再建すれば容積は2倍程度増加するようである。

立派な詳細な設計図面を前にしての質疑応答となる。

3.質疑応答要旨

質問:行政との折衝経緯を、ひとしきり説明した後に、今後建替え決議をどのように進めるべきかの質問があった。また、建築費や分譲価格も調査し、現状の専有面積の60~70%は無償取得できるはずであるとの認識をしている。デベロッパーは付けずに、建替えるつもりだ。

アドバイス:60戸の皆さんには、この建替えの話はどの程度伝わっているのですかと確認すると「まだ理事会レベルでの検討だ。理事の知り合いなどの意見を聞いておおむね好意的である」との見解が述べられる。

アドバイス:まず、マンションの建替えということは、区分所有者の大事な資産に係ることで推進は慎重に、丁寧に進めるべきである。もし、好条件の建替えであっても、修繕改修ではどの程度の費用がかかるかや建替えであればどの程度の費用がかかるかを十分に区分所有者全体に知らせて、理解してもらって再生の方向性(修繕か建替えか)を決定することが、標準行動になっている。建替え決議というのは、その手順を踏んだ後に、「修繕での再生はないね」とおおむねの区分所有者が納得した後に、建替えを掘り下げるものだ。

おそらく、60名も居れば、おおむねは年金生活者で、修繕で良いと考えている人も多いはずだ。このまま進むと、建替え決議の直前になって、なぜ修繕を検討しないのだと主張する所有者が出て、また振り出しに戻ります。

質問:2年ほど前に修繕の見積りも取って説明している。

アドバイス:それなら、それをもう一度復習し周知し、建替え計画およびその費用負担との比較検討したら良いと思う。 2年前に実施したから良いであろうではなくて、同じテーブルに並べて十分に比較検討する場を設けるべきだ。修繕や建替えという話は、高齢化した区分所有者には、理解が難しい。理解をしてもらう地道な努力が必要だ。

質問:建替えの方法については、どう考えるか?

アドバイス:デべロッパーを交えるとデベロッパーの利益が必要で、還元率は下がる。しかし、建替組合が事業主となって建設資金の融資を受けて建替え事業を行うことは、リスクを伴う。想定通りに建築費が収まり、分譲も完売すれば、なるほど皆さんのメリットはある。しかし、マンション事業は、プロでも市況や建築費の予測が外れ失敗し、損をすることもある。プロは、失敗したら次の事業で挽回するチャンスがあるが、皆さんは失敗したら、大変な状況になる。どのデベロッパーも協力事業者もいない状況なら、やむを得ないが、そうでなければ、デベロッパーとの連携も検討すべきだ。想定しているマンション分譲価格も市場と合致しているか懸念がある。また、それらの分譲価格は、品質の保証がありアフターサービス・瑕疵担保の付いた専門デベロッパーの価格だ。建替組合が分譲するとなると下がることを想定して事業を組み立てる必要がある。以上

*後日談だが、相談後に区分所有者のアンケートを実施したが、建替えを進めるべしと回答した方は50%以下だったようで、時間をかけて修繕か建替えを比較検討することが理事会として決まったようである。

○ 日時   :2010年 10月 20日(水)  PM 1時~PM 4時 ○ 場所    NPOマンション再生なび 事務所  ○ 参加者 :区分所有者 有志 4名           NPOマンション再生なび  3名

経緯○

1.マンションの概要

①    昭和 50年建築 総戸数 約60戸 8階建て②  現状専有面積 約60㎡~66㎡2.背景

区分所有者の有志4名が理事会の建替え事業の推進について相談に来た。4名は、建替えをぜひ進めたいという立場である。当該のマンションは昭和50年建築の1棟60戸である。1階にピロティーがあり耐震性能に懸念がある。2年ほど前に、設計関係者である区分所有者の1人が、個人的に概略の設計案作成し、建替えると容積が2倍になり無償で現状の専有面積が確保できると発言したことから、にわかに建替えへの期待が高まる。その後その設計関係者が理事なった。理事会は5名で構成され、所有者の配偶者である女性理事3名(規約上、理事資格に適合している)と男性理事1名および当該の設計関係理事とで構成されている。設計関係者が理事になった時から、急速に再生の検討が加速し、建替え推進決議がなされ、今回、デべロッパーコンペまで実施された。しかし、その間、区分所有者全体に公開された話し合いはほとんどない。(掲示板に理事会の告知はあるが、呼びかけもない。今回相談にきた有志が時々出席するが、理事メンバー以外は、ほとんど出席していない状況である。

デベロッパーの候補選出(3社)を理事会が決め、締め切りの3~4日ほど前に、区分所有者からの推薦を募集したが推薦も不可能な状況だった。しかも、デベロッパー3社の提案説明会は理事会の5名のみで各社の提案を聞く「非公開」となった。建替え推進決議からデべのコンペまでの間、専門家であるコンサルタントへの委託はなく、5名の理事のみで選定業務を推進している。建替えには賛成だが今後理事会がどう進めるのか不安だ。国土交通省の推進マニュアルと大きく異なる展開に、どうしたものかとの相談を受けた。

座談会要旨

質問:今後具体的に、どのように進めるべきか?

アドバイス

国土交通省のマンション建替えマニュアル ~住民の合意形成から補助制度まで~ 出版社 ぎょうせい  を参考にされると良いです。マニュアルでは、建替え推進決までも、その後の建替え決議まででも、「組織の運営はオープンに」と再三、注意しています。マンションは皆さん全員の大事な資産であり、修繕も建替えも、全区分所有者に検討の情報を出来るだけ詳しく投げかけるように、リーダーは心がけるべきですね。また、そうしないと最終的には全区分所有者の80%の同意は得られません。皆さんのマンションが60戸とすれば、20%超えの13戸がその建替え推進に反対したら建替え決議は成立しません。(反対のみならず、棄権や保留や回答しない方も含めて賛成と答えない人は、反対票となります。)結構大変です。まずは、公平にオープンに進めるように正常化しないといけません。

質問:知り合いの人に、皆の分からないところでどんどん進んで行くと声をかけても、その内に皆さんに公開して意見を聴くわよとあまり取り合ってくれません。

アドバイス:恐縮ですが、管理組合の活動に全体が無関心なコミュニティーは、建替えか修繕かというような大事な資産に係ることでも、大丈夫だろうと無関心に過ぎてしまい勝ちです。冷たい表現ですが、そのマンションの日頃のコミュニティーの見識の低さから生じる結果です。建替え事業は建築関係費用でも15億円程度以上の規模の資金が動き、理事や再生委員が関係業者と癒着する事例も、残念ながら決して少なくありません。そのようなことはないと思いますが、だからこそ、リーダーは事業を公開し公平に進めるべきですし、区分所有者も全体で注目して進むべきです。

質問;具体的には、どうしたらよいのでしょう?

アドバイス:理事会がどのように進めようとしているのか、理事会に説明の機会を求めたらどうでしょうか?もし、理事会が説明の機会を持たないのなら、区分所有法の第34条3に「区分所有者の五分の1以上で議決権の五分の1以上を有するものは、管理者に対して会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することが出来る。」に基き、区分所有者の20%以上の同意を集めて、集会の開催を求めたら良いのでは?有志の皆様も、無関心な全戸を訪問し、実情を話し注意を喚起したらいかがでしょうか?                         以上

○相談日時2010年9月30日(木) PM7時~9時  ○ 場所   :当該A団地集会室

○ 参加者  再生検討組織(住宅対策委員会) 委員および組合理事  10名

NPOマンション再生なび 4名(関根 二木 牧ノ瀬 他)

経緯

1.マンションの概要

・建築時期  昭和49年   ●●県住宅供給公社分譲

・建物    2棟  60戸  5F建て  平均住戸専有面積 約50㎡/戸

・用途地域等 第一種中高層住専 60 200

2.背景

建築後40年近くになろうとし、所有者の中から建替えの要望もちらほら出てきている。今後どう進めるべきかとの相談である。各種、再生勉強会に委員が手分けして参加し始めているが、なにせ素人集団なので、組合員の皆さんに建替えの話を上手く説明できない。理事の知り合いの設計士に建替えが可能なのか頼みボリューム設計はできている。建替えを含めた再生の基礎的なことを講演してもらえないか?との問い合わせで訪問することになった。

3再生検討の留意点に関するパワーポイントを約45分説明する。

内容: ・再生検討の必要性 ・マンション再生の流れ・初期段階の再生推進カリキュラム案 ・再生検討事例 ・検討手法としてのワークショップのメリット ・再生検討費用の概算・建替えは自己負担を伴うことの計算例  等

座談会要旨

質問:設計案に対する、「無償取得面積」の概算について教えて欲しい。(すでに建替え計画案(ボリューム出し程度)を理事の知り合いの設計士に依頼し作成していた。)再建案概要 「10階建て 86戸 延べ床面積約1978坪 専有面積約1734坪」の提示があった。

アドバイス:およその無償取得面積(還元率)を問われ、その場で概算計算をし示し、およその還元率(還元面積)を示した。以下その計算例。

建築費 @700千円/延べ坪   分譲価格 専有面積/坪 1700千円 と想定

設計費 建築費の3%   解体費 予想延べ床坪 60千円

その他事業費建築費の3%

建築費 7000×197≒1,384,000千円

設計費 1384000×0.03≒41,000千円

解体費 現状建物概算延べ床=1100坪×60=66,000千円

その他事業費=41,000千円

A事業費合計1,532,000千円(デべ原価)  デベロッパーの利益率25%と想定すると

Bデべの回収すべき総事業費は1,915,000千円となる。(A×1.25)

分譲価格が1700千円/坪であるから、B÷1700≒約1126坪の専有面積をデべは取得する必要がある。

総専有面積は1734坪。 デべが1126坪を取得したのだから、区分所有者60戸は608坪を取得できることになる

したがって、戸当りの無償取得面積は10.13坪≒34㎡程度である。

還元率=30÷50㎡(現状専有面積)=60%

販売価格と建築コストによって、この無償取得面積は変動する。もう少し売値があがって建築コストが下がれば、無償で50㎡程度を取得できるケースもあり得る。しかし、そのような幸運な時期がタイミングよく来るかは不明で、元の専有面積を取得するためには負担が伴うと考えて建替えは検討した方が良い。ちなみに、元の面積になるためには、あと16㎡=4.84坪を買い増しすれば良い。一般的に建替えの場合は一般分譲価格より10%程度安く買うことができる。したがって、4.84×1700千円×0.9≒7,400千円を負担すれば、元の専有面積となる。

質問:今後の進め方はどうしたらよいか?

アドバイス:団地全体での、再生への知識や意識がないと仮定すると、皆さんが専門家を単発的に招いて、再生勉強会を半年程度実施したらどうか。費用も多くかからないし、全体の再生意識の向上を目指したら良いと考える。その上で、管理組合として、修繕か建替えかの検討を始めること、そのために一定の検討の予算を承認してもらい、専門のコンサル等を入れて、修繕か建替えかの比較検討を実施する。注意すべき点は、今回建替え計画案が作成されていたが、理事会・再生委員会は「建替え」だけを検討している。建替えに持っていきたいのだと、思われないように修繕に関する検討・建替えに関する検討を公平に並行して実施すべきだ。推進リーダーは、再生情報を区分所有者全体に周知するよう心がけ、多数の人の意向がどこにあるかを素直に把握できるように心がけて欲しい。

質問:検討の費用はどれほどか?

アドバイス:建物の劣化診断は150万円前後か?耐震診断は、1次なら100万円程度で2次診断まで実施すればやはり200万円以上か?いずれも、1棟を実施して2倍するとかのコスト軽減策を講じるべきだろう。方向性の判断材料であるから。コンサルタントは、種々で難しいが1年間程度月に1~2回の検討会があるとして、劣化診断・耐震診断等の実費は別途で、月20~30万円程度は覚悟すべきだろうか。きちっとした設計案作成も必要となれば、別途30万円~50万円は必要となる。         以上

2010年9月11日(日)19時~21時   《場 所》当該Bマンション 1階集会室 《参加者》 再生委員会 8名

NPOマンション再生なび 3名(関根・二木・牧ノ瀬)

《建築概要》

所在地:東京都品川区  構造等:SRC造 11F   Ⅰ棟 約120戸

経緯:10年前に●●建設会社が、総合設計制度を使って容積率を大幅に増加させた建替え計画案(指定容積300%+割増容積300%)を提示し建替えに伴う費用負担がほとんどないと区分所有者に説明していた。当該マンションから、昨年にこの総合設計を活用したプランが現在でも可能かの相談を受けた。昨年の相談の時に、当時(昨年)から総合設計制度の運用が厳しくなっていることおよび平成22年後半に新しい総合設計制度の指針がでること、種々の検討をするのであれば新しい基準ができてから検討すべきことをアドバイスしていた。

今回、新しい総合設計の基準をもとに、新総合設計制度での建替え計画の大まかなボリュームを算出し、それに基き建替える場合の費用負担(還元率)を算出し、今後の中長期視点での当該マンションの再生をアドバイスした。

<座談会要旨>

東京都の総合設計制度による当該マンションの建替え案について

総合設計案:新しい総合設計基準に基くと、隣地を取り込む必要がある。容積率は367%となる。現状容積(現状270%)より増加はするが、隣地の割高な買収ないし好条件の還元面積を考えた場合の還元率は30%程度となり、現状の専有面積を確保するには多くの負担が伴うとの報告だった。

単独建替え案:現在の建築基準法の容積率300%、建蔽率60%、第3種高度斜線規制、日影規制の範囲内で建てた場合にどうなるかを説明する。

日影規制は、昭和51年にできたのでこのマンションができた時にはなかった。それらの規制をクリアしながら300%の建替え案は可能であることを示した。ちなみに、通常建替え案の還元率40%となるとの説明を行った。

総合設計を活用するより、基準法での建替えの方が有利との報告となった。

委員会からは、新総合設計制度活用しての有利な建替えは不可能とう現実を認識する必要がある。昨年の相談アドバイスの時から、覚悟していたことではあるが、いつまでも10年前の現実に合わないプランの夢を追うべきでないとの見解となった。しかし、区分所有者全体は、2008年の総会説明でも、2000年提案がまだ可能かのような印象を持っている。次回の総会では、旧来の容積率のボーナス200%アップの総合設計制度の夢を否定して現実的な再生の方向を打ち出す必要がある。<新総合設計の基準の概要の説明があったが省略する>

●  建替えの現実:現在では、ほとんどのマンションが現状の建物規模すら建築できない実情がある。容積が10%でも増えるマンションは幸運なケースだ。還元率は30~40%というのは、幸運であるとの認識を区分所有者全体に持ってもらう必要があるだろう。

●今後の進め方

単独の計画と地域再開発の総合計画を考えて進める必要がある。品川区においては●地区のまちづくり計画が立案されている。地域再生計画の一環として、当マンションの再生を検討する必要があるだろう。とは言っても地域を含めた再開発事業というのは、なかなか大変なことでもあり、単独の建替え事業を軸に、地域との関わりの中での再生を模索するというスタンスとなろう。 以上

平成22年8月28日(土)、29日(日)9月1日(水)

首都圏大規模団地訪問(約400戸・約15棟)

建築後約40年を経過した団地型マンション。数年前に1棟の耐震診断を実施した結果、耐震性能に懸念があるとの判断が出ている。維持管理は適切に実施されてきているが、経年劣化のために種々の不具合が生じ早急な大規模修繕も必要な状況にある。また、大規模団地特有の開発上の課題(都市計画の一団地の網がかかっている)もあり、今後、どのように再生を進めるべきかとの観点から講演を依頼された。管理組合幹部との協議の結果、多く所有者に再生の基本情報をご理解いただくために、講演会を3部に分けることにした。団地の1~7号棟までを8月28日(土)に8号棟~15号棟を29日(日)に、その土日に参加できない方々のために9月1日(水)の夜に開催することにした。当日に向けて管理組合役員や、各棟の再生委員が各棟所有者に参加を呼びかける活動を実施した上、開催された。参加者は、初日約45名、2日目約47名、3日目の平日の夜は、約26名で全体の約1/3程度の区分所有者が参加した。

講演内容

マンション・団地の概要

・  建築時期 昭和40年台前半 ・  構造   RCラーメン構造 ・  建物概要 11棟 336戸  5階建て ・  隣接の賃貸住宅含めて「都市計画法11条の一団地の住宅施設」となっている。

背景

管理組合の諮問機関として、一昨年に再生検討組織「明日の団地を考える会」が発足し委員会として勉強を継続した。しかし、336戸全体の再生検討気運にまでは至っていない。既に耐震診断も実施し(一部棟の検証)、耐震性能に課題があることが判明しており、修繕か建替えかの再生の方向性の検討が急務である。一方、当該団地は、隣接の賃貸団地を含めて、都市計画法上の「一団地」がかかっており、再生の方向性の如何によっては、一団地の解除という課題も存在する。全区分所有者への当該団地の実情を理解し、再生の方向性検討を336戸全体の検討に進めたいとの管理組合を踏まえ、団地11棟を3グループに分けて、再生検討組織の参加促進活動を実施した後に、今回の再生検討説明会3日間、3回に分けて実施した。

講演の要旨

・  なぜ再生が必要か・  耐震基準の変更と当団地の実情・  今までの委員会活動報告のおさらい・  修繕改修と建替えの実情(一般的な状況)・  大規模団地の再生検討の実例(●棟 約600戸の団地は、どう進めているか?)・  当団地の再生をどう進めるか?(一団地解除を踏まえて)・  国土交通省の補助事業・安心居住推進事業について

・  質疑応答

Q当団地が150%の容積になったら どれくらいの無償還元率なのか?

A大まかだがいろいろな条件がすべてそろったとして25~30㎡か?

Q買い増し価格はいくらくらい?

A新築床価格が150万の場合 デベによって考え方は違うが これまで自分デベとしてやってきたやり方は 宣伝広告費などを差し引いた価格5~10%引き

Q仮住居の費用は?

A行政などが協力してくれるケースもある。民間賃貸に入居した人などと合算し平均した家賃という考えもある。                                

この記事はブログに投稿されました. このパーマリンクをブックマークする。 コメントとトラックバックは現在受け付けていません。
  • お気軽にご相談ください。

  • マンション再生なび事務局

    〒175-0082
    東京都板橋区高島平8-5-6
    Office805ビル 3階

    tel: 03-6304-6069
    fax:03-5317-2490
    ご相談は無料です。