円滑化法に基づき建替えを行う場合に、施行マンションの区分所有者Aの娘婿Bが、差額分を支払って、施行再建マンションをABの共有とすることができますか?

建替え予定のマンションには現在、長女夫婦が居住しており、再建後のマンションにも同人が居住予定です。ところで、現状のマンション(施行マンション)の評価額は2,500万円ですが、再建に際して取得予定のマンション(施行再建マンション)の評価額は4,000万円であるため、その差額分については婿(長女の主人)が借入金等でまかなう予定です。何か問題はありますでしょうか? なお、建替えに際しては、建替え決議を行った後に、建替えに参加する区分所有者で、マンションの建替えの円滑化等に関する法律に基づく建替組合を設立して、当該組合主体で事業を行う予定です。

マンションの建替えの円滑化等に関する法律(以下「円滑化法」といいます。)に基づき、建替組合を設立して、組合施行による事業を遂行する場合には、最終的に「権利変換」手法により新しいマンションを取得することとなります。「権利変換」とは、区分所有者が従前に所有していたマンションの権利がそのまま新しく再建したマンションに移行するという仕組みですが、ここでポイントとなることが、「従前のマンションの権利」が「従後マンションに移行する」という概念です。

ところで、相談のケースですが、結論から申し上げますと、施行再建マンションを取得する1,500万円の差額を支払う娘婿の方は、施行マンションを所有されておりませんので、このままでは、権利変換計画は成り立たないということになります。

これは、「権利変換」・・・従前の権利を、従後に変換する・・・という考えからすれば、従前が「0」の権利からは、新たな権利は発生しない(無から有は生じない)という考え方によります。そのため、仮に現在の計画を進める場合には、2つの考え方があります。

(1)第一は、現在の所有者の方が、追加金を支払われる方(今回の場合は娘婿の方)に、土地共有持分及び建物区分所有権の一部を贈与することです。贈与の評価額は、贈与税の基礎控除の範囲である110万円以下の内容で結構です。なお、この場合には、贈与税は発生しませんが、贈与持分に相当する土地・建物について、不動産取得税と登録免許税が発生することにご留意ください。

(2)とりあえず施行再建マンションにかかる権利変換は、ご本人の名前で行い、建物完成・取得後に、「真正な名義人の回復」等により、登記を変える手法もあるようです。なお、この手法をとることの有無は、事業者もしくはコンサルタント等に十分にご確認ください。また、借入金等がある場合には、金融機関での対処の有無の確認も必要となるでしょう。

関連キーワード: , ,