マンション建替えをどのような手法で行う場合でも、最終的には相続登記が必要です。なぜならば、等価交換の場合の契約なり、あるいは円滑化法の権利変換計画等は亡くなった方の名義では行うことができないからです。なお、相続登記は、可能な限り、建替え決議時までに行ってください。
さて、では、相続登記をどのようにして行うかですが、仮に、亡父に「遺言書」がある場合には、遺言書の指定する遺言執行者が遺言に基づいて相続関係の処理を行います。
問題は遺言がない場合です(もっともこの場合のほうがはるかに多いですが)。被相続人に遺言がなければ、相続人間で遺産分割協議を行います。遺産分割協議を行う場合には、被相続人の方の原戸籍(6歳くらいからの戸籍をさかのぼって全部取得します。要は、他に隠し子等がいないことを確認するわけです)を取得します。原戸籍を取得した結果、他に相続人がいないことがわかれば、今回の場合は相続人であるお母様、ご本人及び妹さんの3人で遺産分割協議を行い、合意すれば遺産分割協議書に署名押印をします。このほか登記の委任状等必要書類を用意して登記申請をすれば相続冬登記は完了します。なお、遺産分割協議がまとまっている場合は、司法書士に依頼すれば、遺産分割協議書の作成から書類の整備は手伝ってもらえます。
さて、問題は、遺産分割協議がまとまらない場合です。すなわち、相続人の間で、「自分の取り分が多い・少ない」等で紛争が生じてしまった場合等では、遺産分割協議がまとまらない可能性が考えられます。遺産分割協議が確定するまでは、民法上は、法定相続分で共有している状態であるとみなされます。この場合は、暫定的に法定相続分で登記をすることは可能ですが、この状態で権利変換なり等価交換契約なりをする場合には、当然ながら共有者全員が納得することが必要となります。また、その前に建替え決議を行う際にも、共有住戸の場合には、共有者の中から議決権行使者を一人選定して、その議決権行使者が建替え決議に賛成するか反対するかの意思表示をすることとなっております。仮に、相続の配分でもめているようなご家族の場合には、そもそも議決権行使者を選定することが出来ない可能性も考えられます。建替え決議は、「賛成」か「非賛成」かで区分所有者を分別しますので、例えば、共有者間で議決権行使者を選定することができず、結果的に建替え決議の議事に意思表示ができない場合(すなわち、棄権となります)には、建替え決議に非賛成者であるとカウントされます。その後、催告を経て最終的に催告から2月以内に建替えに参加する旨の意思表示ができない場合には、建替えに参加することができなくなります。こうした意味からも早めの対処をお勧めします。