高齢者の救済

同潤会江戸川アパートでは、従前の所有する住居面積が狭かったために従前資産の権利評価も安く、また高齢者でその他資産もほとんどなく再建住宅の取得が不可能である高齢者を、再建住宅に生涯居住できる方法で再建を図ったと聞いております。その仕組みについて教えてください。

江戸川アパートにはたくさんの高齢者が居住しておられ、しかも従前面積が小さな住戸に居住されている区分所有者も多かったことから、何らかの形で救済が必要な高齢者が福数名いらっしゃるといわれておりました。これらの問題に対しては、原則は、再建マンションにも様々な設計バリエーションを作ることで対処でき、大部分の方は夫々の負担が可能な範囲で対処できましたが、1名だけ、どうしても救済が必要な方がおられましたので、この方に再建後の江戸川アパートに居住していただけるための仕組みの検討を行いました。

内容は以下の通りです。

(1)この方に居住していただく住戸(概ね20㎡の住戸)を一部屋だけ非分譲として、将来規約共用部分とできるようにしておいた。

(2)当該住戸の貸借については、次のような仕組みとした。
a)任意の建替え組合(円滑化法の組合ではなく、建替え参加者全体で構成される任意の組合)の総会の合意により、建替え組合と対象者との間で、書面で「使用貸借契約」を締結した。
b)内容は、「対象者は生涯当該住戸に居住することができること」、「対象者の逝去後は、使用借権は相続されないこと」、「対象者の相続発生後に住居内に残置された家財等の措置」等についての取り決めをしている。
c)新しいマンションが完成して、管理組合ができたときに、当該管理組合との間で上記b)の内容と同趣旨の使用貸借契約を行うこと。

(3)なお、この内容は、再建マンションの購入者に対して交付する重要事項説明書に記載をした上で、全ての購入者に説明をした上で、納得してもらってマンションを購入していただいている。

当初の検討の際には、「生涯定期借家権」の検討も考えましたが、最終的には、管理組合が所有する住戸を賃貸して、相場よりも安い価格ではあっても賃料が発生することで、確定申告等も必要となる手間を考えると、寧ろ使用貸借として、その内容を文書で明確化したほうが良いと判断をしてこうした措置を講じました。

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