壁式構造・軸組み構造

修繕か建替えか検討している6棟約100戸の団地型マンションです。新耐震基準前の団地であり耐震性能に不安を感じて建替えを検討している側面があるのですが、所有者の施行会社出身者は、当団地は「壁式構造」だから、耐震基準はOKだと言っています。本当に大丈夫なのでしょうか?

鉄筋コンクリート造には「ラーメン構造」と「壁式構造」の2種類の形式があります。「ラーメン構造」とは、柱と梁により構成されている構造です。一方、「壁式構造」とは、柱梁が無く、壁により、支えられる構造であり、通常は5階建てまでの建物に採用されます。

鉄筋コンクリート造の壁式構造の建物は、一般に、耐震壁がバランスよく配置されているため、耐震性は高いと言われており、平成7年の阪神・淡路大地震でも、5階建て以下の「壁式構造」については被害が少なく、また、少数の被災事例も、地盤の関係で沈下や傾斜が生じたものであり、建物の壁等の破損はほとんどなかったと言われています。

しかしながら、「壁式構造」であれば、すべて、耐震性は十分にあると言い切ることはできません。「壁式構造」であっても、耐力壁の厚さや長さ(壁量)、階数、立地、平面形状、立面形状、施工の良否、劣化状況などにより、その耐震性は異なってくるからです。

たとえば、耐力壁の厚さや壁量が足りない場合、階数が5階を超える場合、崖に近接している場合や軟弱地盤の場合、平面形状が雁行している場合、立面形状においてセットバックや床版の高さのずれがある場合、施工不良によりコンクリート強度が足りない場合、雨漏りや鉄筋にさびが発生している場合などでは、耐震性に問題が生じるケースも、十分に考えられます。

昭和56年以前に建設された「壁式構造」の建物の場合、特に、上記のようなケースに当てはまる場合には、しっかりとした耐震診断を受けることが望ましいものと考えられます。しかしながら、専門家でないと判断できない事項も多いので、建物の構造の専門家に、一度、予備的な診断を受けることをお薦めします。

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