マンション建替えの住戸選定

マンションの建替えにかかる勉強会を行っているのですが、再建後のマンションでどのように住戸の取得をすべきかについて教えてください。すなわち、(1)「今現在1階に居住する区分所有者は1階の、5階に住む区分所有者は5階の権利を取得すべきであるという」意見と、「建替えに際しては、今までの住戸の位置や向きに関わらず、自由に抽選で選ぶべきである」という意見の二つがでておりますが、どちらの意見が正しいのでしょうか? (2)仮に、建替えに際して、デベロッパー等に事業者として入ってもらった場合に、事業者と住民で住戸はどのように配分すべきでしょうか? 以上の2点についてお答えください。

区分所有法では、第62条第3項において、前項第3号(建替えにかかる費用の配分にかんする事項)及び第4項(再建建物の区分所有権の帰属に関する事項)は、「各区分所有者の衡平を害しないように定めなければならない」と規定されております。そのため、再建前の建物とまったく同じ建物を再建する場合には、「前と同じ住戸を取得する」ことについては問題はないと思われます。しかしながら、多くのマンション建替えでは、再建後のマンションの設計は、従前とは異なることが多いことから、全員が、従前と同じ位置にある住戸を取得することは困難ではないかと思われます。例えば、従来は、5階建てで1つの階に5つの住戸がある(合計25戸)のマンションを、10階建てで40戸(ただし、1つの階の住戸は4戸となります。)に再建する場合を考えましょう。仮に転出者がおらず、全員が再建後のマンションを再取得しようとした場合でも、例えば今まで3階に居住していた区分所有者の1人は、3階には居住できないこととなります。こうしたことが各階で生じることとなるため、結果的には「各区分所有者の衡平」を害することになりかねません。

こうしたことから、多くの場合には、従前の居住位置に関わらず、再建マンションでは(1)自由に希望住戸の申し込みを行う →(2)住戸についての申し込みが重複した場合には、抽選を行う →(3)抽選に落選した場合には、残った住戸の中から希望住戸を選択する・・・といった手続きをとっております。この案については、今まで恵まれた住戸に居住されている方からは、反発が出ることが想定されます。すなわち、「今まで南向きの4階の住戸に居住する権利があったのに、その権利はどのようにしてくれるのか?」というような意見です。しかしながら、再建マンションについても、階別や向き別に価格は異なるわけであり、例えば、同じ面積の住戸であっても1階と10階では価格が異なるため、この価格差が、結果的には住戸選定の「衡平をはかる」ことに繋がると考えられます。すなわち、施行マンションの権利評価が仮に2,000万円の区分所有者が、1階のある住戸を取得する場合には2,000万円で取得できるが、高層階の住戸を取得しようとすれば2,500万円かかる(すなわち、追加で500万円の支払いが必要となる)こととなります。

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