コンサルタント等専門家の選定

建築後35年を経過したマンションです。建替えの本格的な検討を進めたいと考えています。専門家の支援が必須と聞いています。コンサルタントをどのように選定すべきでしょうか?どのような点に注意すべきでしょうか?

マンション建替えにおける「コンサルタント」は、区分所有者の皆さんや管理組合にとっては、いわば、一生に一度あるかないかの大手術をお願いする「主治医」のような存在です。ですから、コンサルタントを選ぶということは、老朽化したマンションの病状を相談し、診断してもらい、適切な処方をしてくれる「主治医」をどう選んだらいいかという観点に立てば、自ずと、誤りのない選択ができると思います。その主な条件を列記すると次の通りです。

①誠意があり、信頼関係を築けること
②多数の症例(マンション建替え事例)を経験し、成功に導いた実績が数多くあること
③畑違い(専門外)でないこと
④評判がいいこと
⑤コストが適正であること

①は、言うまでもないでしょう。信頼できないお医者さんの診察を受けたい人はいないでしょう。コンサルタントも全く同じです。まず、事前に代表者や担当責任者と会ってみて、信頼できるかどうかを確かめることが大切でしょう。

②は、きわめて重要です。マンション建替えは、個別性が強い事業ですが、数多くの事例を経験しているコンサルタントほど、解決策の引き出しを数多く持っているものです。

③も重要なポイントです。脳外科の手術を歯医者さんに頼む人はいません。規模の大きな信頼できるところでも、たとえば、建築設計を専門にしている事務所や、大規模な開発事業ばかりを手がけている会社では、マンション建替えの実務に強いとは限りません。

④は、お医者さんを選ぶときには、誰でも実行しているポイントです。マンション建替えの場合には、誰に聞けばいいのか迷うこともあると思いますが、実際に建替え事業を実現した組合の方に複数会って話を聞くのがいいと思います。コンサルタントに会ったときに、紹介してもらうのもいいでしょう。

⑤は、実は判断が難しいポイントです。安ければいいというものではありません。安いからといって、主治医を選ぶ人はいないと思います。コンサルタント料は、本来は、そのノウハウや技量に応じた金額であるべきです。事前にそれを判断することは難しいのですが、面談し、実際にどのような業務をどういうふうに行うのかという業務企画書と見積書を提出してもらい、検討することが大切です。

さて、こうしたポイントを踏まえて、実際のコンサルタントの選定をどう行うかは、管理組合、もしくは建替え検討委員会等の重要な業務になります。最近では、②~④を踏まえて、複数のコンサルタントに業務企画書と見積書を提出してもらう、いわゆる、コンペを行うことが多いのです。しかしながら、実際には、主治医を選ぶときと同じように、まず、面談をしてみて、信頼関係を築くことができるかどうかを中心に、①~⑤の観点を勘案して候補者を決め、そのコンサルタントに特命で頼んだ方が、コンサルタントとの間に強固な信頼関係を築くことができ、結果もうまくいくことが多いようです。その際、組合の予算が限られているのであれば、たとえば、「ここ1年間は○○万円しかないが、それで何とかできませんか」といった頼み方も有効でしょう。コンサルタントも人間ですから、必ずしもお金で動くものではなく、気持ちで動くものなのです。

なお、初期の段階では、自治体の補助で、専門家を派遣してもらうことも有効でしょうが、実際の建替えに際しては、やはり、しっかりとした専門家を改めて選ぶ方がいいでしょう。

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