円滑化法を使って建替え決議を実現する場合に、個人施行で行うべきでしょうか、組合施行で行うべきでしょうか?

円滑化法を使って建替え決議を実現する場合に、個人施行で行うべきでしょうか、組合施行で行うべきでしょうか?

組合施行方式の場合には、基本的には諸事項について組合の決議が必要とされるため、個人施行の場合よりも、夫々の項目についての判断に時間がかかる可能性が高い。そのため、特に規模の小さなマンションで、比較的区分所有者全員の意思疎通が行いやすい場合には、個人施行という手法は向いているといわれております。

組合施行の場合は、建替え決議が必須であり、建替え決議が可決された後に、建替組合を建替え参加者の3/4以上の同意を得て設立し、その後住戸選定等を行ったうえで権利変換計画を策定・決議をしてゆくこととなります。こうした一連の手続きが、個人施行の場合には相当簡略化する可能性が考えられます。

ただし、個人施行の場合でも、完成するマンションについて納得ができなければ、個人施行の同意をすることはないと思われます。具体的には、施行再建マンションの設計計画や資金計画について一定以上の内容が煮詰まっていなければ、個人施行者の同意を行わないのではないかと思われます。この場合、組合施行の場合であれば、「建替え決議」から順をおって手続きを進めることが可能となりますが、個人施行の場合には、簡単に言えば「個人施行の同意」がされれば、事業計画等の変更も行政協議のみとなってしまいますので、区分所有者側から見ると不安定性が高いようにも思われます。そのため、個人施行の同意までの間に、それなりの準備が必要となってくるのではないでしょうか?

こうしたことを考えると、結果的には「順を追って手続きを行う」ほうが迂遠なようでありながら、かえって迅速な動きができる可能性があります。

次に、権利変換計画についても、組合施行の場合は区分所有者及び議決権の4/5という高いハードルではあっても、多数決で決することができるほか、権利変換決議に非賛成の区分所有者に対しては売渡請求権を行使することができます。一方で個人施行の場合には権利変換計画についても全員合意ですから、当初は建替え計画に賛成していた区分所有者が、権利変換時点で態度を変えるという戦法をとって建替え事業を妨害することが可能となってしまいます。

こうした意味から、特に当初時点においては、「個人施行前提」と決めきらず、建替え決議を経た後に組合施行を行うことも視野に入れて検討される必要があるのではないかと思われます。

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