共用部分

 共用部分は、以下の3種類のものの総称である(区分所有法2条4項)。
(1) 専有部分以外の建物の部分
 専有部分とは、構造上および利用上の独立性を有する、1棟の建物の部分の内で、規約により共用部分とされた部分(規約共用部分)を除いた建物部分である(「専有部分」、「構造上の独立性」、「利用上の独立性」、「規約共用部分」の項目参照)。したがって、「専有部分以外の建物の部分」には、①1棟の建物の部分のうちで構造上の独立性または利用上の独立性を有しない部分と、②構造上および利用上の独立性を有するが規約により共用部分とされた部分とがある(「専有部分以外の建物の部分」の項目参照)。                 
(2) 専有部分に属しない建物の附属物(「建物の附属物」の項目参照)。
(3) 規約により共用部分とされた附属の建物(「附属の建物」の項目参照)。

 共用部分については、「一部共用部分」と「全体共用部分」という分類もある。これは、その共用部分が「一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分」か(区分所有法3条後段)そうでないかによる分類である(「一部共用部分と全体共用部分」の項目参照)。

  区分所有建物の共用部分は、その区分所有建物の区分所有者全員の共有である(区分所有法11条1項本文)。ただし、一部共用部分は、これを共有すべき区分所有者(同法3条後段参照)の共有である。共有の法律関係については民法249条から262条までの規定があるが、共用部分の共有については、それに代わって、区分所有法13条から19条までの規定が適用される(同法12条)。

 「民法177条の規定は、共用部分には適用しない」(区分所有法11条3項)。本条の立法理由について、同条の前身である1962年区分所有法4条3項の立法担当者である川島一郎判事は、次のように述べている。区分所有法は、区分所有者または管理者(区分所有法11条2項、27条1項参照)以外の者が共用部分を所有することを認めず、しかも、共用部分が区分所有者の共有に属する場合には、その共有持分は共有者である区分所有者の専有部分の処分に従う反面、その単独の処分をなしえないものとしている(区分所有法15条)ので、共用部分が単独で取引の対象とされることはあり得ない。しかも、共用部分の権利関係は、法律の規定、規約の定めおよび専有部分の登記を見れば完全に知ることができるようになっているので、共用部分についてさらに権利の登記をする必要は、全くないことになるであろう。そこで、本条は、共用部分については民法177条の規定は適用しないこととし、共用部分に関する物権変動は、登記なくして第三者に対抗し得るようにしたのである(川島一郎、「建物の区分所有等に関する法律の解説(中)」、法曹時報14巻7号1065頁)。