建替えや修繕・改修といったマンション再生に関する決議の種類やその成立要件については、区分所有法と規約によって規定されています。規約の内容によって決議の成立要件や再生行為のプロセスが変わってくるので注意が必要です。
決議の内容(例) | 決議の成立要件 |
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○共用部分の廃止や専有部分と共用部分の所有関係の変化を伴うもの ○専有部分の面積変化を伴うもの(規約に別段の定めがない場合)
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区分所有者全員の合意 |
○建替え決議 ○一括建替え決議(団地全体)※1 |
区分所有者及びその議決権の各5分の4以上 |
○規約の設定や変更※2
○共用部分の変更(共用部分の形状または効用の著しい変更を伴うもの。いわゆる重大変更)
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区分所有者及びその議決権の各4分の3以上 |
○一括建替え決議(棟毎)※1 | 区分所有者及びその議決権の各3分の2以上 |
○建替え推進決議※3 | 区分所有者及びその議決権の各過半数 |
○通常の決議 ○共用部分の管理(共用部分の形状または効用の著しい変更を伴わないもの。いわゆる軽微変更)
○検討組織の設置について |
区分所有者及びその議決権の各過半数 |
※1: 一括建替え決議は、団地全体で5分の4以上、棟毎に3分の2以上の多数の賛成が必要です。
※2:団地管理規約については、団地全体の集会だけでなく棟毎の集会による決議も必要です。
※3:区分所有法に建替え推進決議という用語は存在しません(国土交通省のマニュアルに記載された用語です)。準備・検討段階のゴールに該当し、改修か、建替えか、再生方針を一つに定めるという意味で重要な決議です。できれば議決要件を大幅に上回る4分の3程度以上の賛成を得ることが望ましいでしょう。なお、準備・検討段階の結論が建替えではなく改修になった場合は、建替え推進決議を「改修推進決議」と読み替えて、やはり4分の3程度以上の賛成を得ることが望ましいでしょう。